星とピエロ
飴屋夜春の独白日記  copyright(C)yoharu ameya
Water
緑

どうやら肉体は少し肥えたのか、
「ちょっと健康的になったね」と言われるが
恐らく無意識の過食の結果である
肉体の中身はボロクソである

処方された1日計11錠のうち
一晩7個の錠剤を胃に流し込んでも尚、
眠れぬ日が続き

朝晩飲む坑欝剤の副作用で意識が遠い

眠気は来ず、「自分」と「世界」が一致しない

モノを口にしても「自分」が食べていないような“遠さ”、
空腹と満腹の感覚すら全く無い

やっと耳に入る音楽も、鼓膜が分厚くなったような、
その外側から入り込んでくるので
感覚に辿り着くまでが長い

でも音楽は救いだ、無になれる

テレビはもってのほか、パソコンのキーボードの
四角いそれを押す指が自分では無い感覚

ぎくしゃくと動くのを感じる眼球と唇の震え

ぐるぐるになったヘッドフォンの黒いコードが
束の間、蛇に見える

すぐに物忘れする脳内

ふと、まどろみに、皮膚がピリリと意識し、
頭が鮮明になった一瞬、私は、水を飲んだ

大量の水を、飲んだ

空っぽのボトルが散乱する

でも身体はしっかりと地に着いて「実感」が戻り、
水を沢山飲むことは「リアルに」生きている事を、
しっかりと教えてくれた

暑さも、料理の匂いも、鼓膜の向こう側の音楽も、
近くにやってきた

私は今更思い出す

人の身体は殆ど水で創られていることに

生きたいと願い続ける本能に


…何を書いているのか分からなくなってきた、、


虫ピンで鮮やかな絵葉書を留める