星とピエロ
飴屋夜春の独白日記  copyright(C)yoharu ameya
無題

すべてが幻だったのかもしれない

生きていることも
今、瞳開いていることも
あなたを好きになって破れたことも

日記帳に綴られた過去が
他人事のように揺らいで
すべてが幻だったのかもしれない

うたかた、泡の粒、割れて、
砕けて、素粒子、水溜まり、

わたしらしき己の影を踏める筈もなく

あなたにあの言葉は届いていなかった

だから曖昧な微笑を
わたしに向け続けてくれるのかもしれないね
それすらも幻かもしれない

破れたって胸痛くたって
あなたに逢いに行きたいなんて
とんだ浮遊した漂いなのか

でも痛いんだ

逢いたくて、泣いて、届かなくて、蹲って、

折り返しの無いメッセージを
送り続けている愚かさは事実で

あなたはそれを棄てているのだろう

この胸の痛さも気のせいなのか

そうじゃない、そうじゃない、と

こぼれ落ちる涙が叫んでいる


飴屋夜春 080707