すべてが幻だったのかもしれない
生きていることも
今、瞳開いていることも
あなたを好きになって破れたことも
日記帳に綴られた過去が
他人事のように揺らいで
すべてが幻だったのかもしれない
うたかた、泡の粒、割れて、
砕けて、素粒子、水溜まり、
わたしらしき己の影を踏める筈もなく
あなたにあの言葉は届いていなかった
だから曖昧な微笑を
わたしに向け続けてくれるのかもしれないね
それすらも幻かもしれない
破れたって胸痛くたって
あなたに逢いに行きたいなんて
とんだ浮遊した漂いなのか
でも痛いんだ
逢いたくて、泣いて、届かなくて、蹲って、
折り返しの無いメッセージを
送り続けている愚かさは事実で
あなたはそれを棄てているのだろう
この胸の痛さも気のせいなのか
そうじゃない、そうじゃない、と
こぼれ落ちる涙が叫んでいる
飴屋夜春 080707

